ボラティリティの計算式とエクセルでの実装方法

ボラティリティは金融市場で非常に重要な指標であり、資産の価格変動の激しさを測定するために使われます。この記事では、ボラティリティの計算式と、それをエクセルでどのように実装するかについて詳しく解説します。まず、ボラティリティの基礎知識から始め、その計算方法とエクセルでの実装手順を紹介します。ボラティリティは主に標準偏差を使用して計算されることが多く、これにより市場のリスクや不確実性を把握することができます。

ボラティリティの計算には主に以下の二つの方法があります:

  1. 歴史的ボラティリティ: 過去の価格データから計算されるボラティリティです。一般的には過去の価格の標準偏差を用います。
  2. インプライドボラティリティ: オプションの価格から導き出される将来のボラティリティの予測値です。市場の予想を反映しています。

1. 歴史的ボラティリティの計算式

歴史的ボラティリティは以下の手順で計算されます:

  1. 価格の対数リターンを計算する:

    • リターン = ln(Pt / Pt-1)
    • ここで、Ptは現在の価格、Pt-1は前日の価格です。
  2. リターンの標準偏差を計算する:

    • 標準偏差 = √( Σ(リターン - 平均リターン)² / (N - 1) )
    • ここで、Nはリターンのデータポイントの数です。
  3. 年率換算:

    • 年率ボラティリティ = 日次標準偏差 × √(取引日数)
    • 取引日数は通常252日として計算します。

2. エクセルでのボラティリティの計算方法

エクセルを使ってボラティリティを計算するための手順を以下に示します。

ステップ1: データの入力

まず、エクセルシートに日々の価格データを入力します。例えば、A列に日付、B列に価格を入力します。

less
A列: 日付 B列: 価格

ステップ2: リターンの計算

C列に対数リターンを計算します。セルC2には次の数式を入力します:

scss
=LN(B2/B1)

この数式を下の行にコピーして、全てのリターンを計算します。

ステップ3: 標準偏差の計算

リターンの標準偏差を計算するために、D1セルに次の数式を入力します:

scss
=STDEV(C2:C100)

ここで、C2

はリターンの範囲です。必要に応じて調整してください。

ステップ4: 年率ボラティリティの計算

年率ボラティリティを計算するために、E1セルに次の数式を入力します:

scss
=D1*SQRT(252)

これで、エクセルを使ったボラティリティの計算が完了です。

ボラティリティ計算の実際の例

以下に、架空のデータを使ったボラティリティの計算例を示します。

日付価格リターン
2024/01/01100
2024/01/021020.0198
2024/01/03101-0.0098
2024/01/041050.0396
2024/01/05104-0.0095

リターンの標準偏差を計算し、その年率換算を求めることで、ボラティリティを評価することができます。

終わりに

ボラティリティは市場のリスクを評価するために非常に有用な指標ですが、その計算方法を正しく理解し、適切に使用することが重要です。エクセルを使うことで、簡単にボラティリティを計算し、分析することができるため、ぜひ実践してみてください。

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